インターネットへの投稿や掲載は実名でなされるべきか、それとも匿名が良いかの議論がある。その鍵は行政がインターネット上で知り得た氏名を、公訴など行政処分等に利用しても良いのかどうかにかかっている。
民間人同士の場合、日本国民は行政の配下としてのマスコミによって「良民はこうあるべき」との指令が大なり小なり頭脳に刷り込まれているから、「あいつは変な奴だ」と罵ったところで、それは必ずしも客観性が担保されているとは言えない。
そもそも氏名は徴税を目的とした戸籍の管理のためにある。江戸時代を見ても分かるとおり、本来人間は名前について姓又は氏は必要無かった。他方民主主義下では、国民は常に行政を監視することを怠ってはならない。その点で言えば、世の中や個人を批判することは大切な公務だと言える。
例えば税金を滞納している国民も「税金が高すぎる」とか、又は「税金を廃止しろ」などと発言する権利はもちろんある。要するに実名で批判する時は税金の滞納という立場は思想性が高く、逆に言えばそれは不正義でも何でもない。
そういう場合にもし実名で投稿した人の氏名が行政手続きに利用され、そして処分されることが裁判で認められるとしたら、上記の「民間人同士の圧力」の点も含めて言えば、もはや日本国憲法の保障する表現又は発言の自由は蔑ろされたも同然だろう。
結局、インターネットからの情報のみで行政処分がなさたときは裁判で否定されるという社会の実態が無い限りは、批判等は匿名で行わざるを得ない事になる。