2014年4月2日水曜日

入社式と幕藩体制

この時期、毎年恒例の入社式の場面が報道される。日本人はこの入社式とか正社員という仕組みが、徳川幕藩体制に由来することを知らない人が多い。正社員とは仕事の内容を変えてでも会社に帰属し続ける社員を言う。こういう、一生を組織に託す仕組みがかつての藩に当たる。

私はいわば「我が社さえ安泰ならば、たとえ世界が滅びても構わない」と言わんばかりの組織絶対主義に、反吐が出るほどの違和感を覚える。

会社制度を創設した西洋では、会社は社員が食い物にする対象であり、社員と資本家との利害が激突する戦場でもある。「みんなで協同して儲けたおカネをみんなで山分けしようぜ」以外に何もなく、ようするに愛社精神の概念はない。もちろん滅私奉公という考え方もない。社長は殿様という感覚もなく、社員は一家という意識もない。じつに明瞭で清々しい。

徳川幕藩体制は二百数十年続いたから、その癖が抜けるにはもうしばらくかかるだろう。今でも社員個人に全責任を負わせ、そして組織の存続を図る会社や団体の事件例は、枚挙にいとまがないほど多い。