高い教育水準など、人材がないことがその地域の経済成長に対する障害となる事実がある。だから教育水準の高い人々が集う地域が経済成長には有利だ。
その意味で、如何にして大学生を地域に呼び込むかが有力な手段となる。
いま大学入学を目指す若者が大都市に集中する傾向が強い。こうした事態は田舎などの地方経済の成長には不利となる。
地方の大学は海外の教育機関と提携するなどして、留学生を受け入れることによって学生数を確保しようとしている。この考えを一歩進めて、東京や大阪などの大都市にある大学で学んだ学生の単位を、地方の大学が独自に認定することにより、編入を促進するのが良い方法だ。なぜなら、仮に入学は都会の大学だとしても、家族の病変など、四年間の学期の間に通学環境が変化することも少なくないからだ。そういう学生は、都会での就職の魅力よりも、家族の近くに居ることの方が優先するから、少なくとも卒業時には各地方の地元の大学に編入したいと考えても不思議ではないからである。そのことにより、卒業後は自然に地元で就職する確率が高まる。
さらには、たとえ一日でも、或いは一分一秒でも長い時間地元で過ごしてもらうことが、若者による地元における消費に連なる。
大学編入に対するこのような取り組みを実行してこそ、各地方自治体による、「地元企業への就職は、地元の学校の出身者が有利」との施策にも実効性がでてくる。
近代大学の発祥地である北イタリアやフランスでは、ある教授が大学を変れば、その門下生もまた教授を追う形で大学を移籍した。ところが日本式の大学はそれらに比べ著しく学生の”流動性”を欠く。終身雇用制が崩壊しつつある昨今、学生もそれに合わせ適宜流動化させる必要がある。
岡本英三
冈本英三
Okamoto Eizo